TOP > 感覚表現 > 音の響き > 小さな音・不鮮明な音
隅の方で誰か怒った声を出した。時化にとぎれて、それが片言のように聞えた。
小林多喜二 / 蟹工船 ページ位置:14% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
小さな音・不鮮明な音
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......てみえた。――ガラ、ガラッと、ウイスキーの空瓶が二、三カ所に稲妻形に打ち当って、棚から通路に力一杯に投げ出された。皆は頭だけをその方に向けて、眼で瓶を追った。――隅の方で誰か怒った声を出した。時化にとぎれて、それが片言のように聞えた。 「日本を離れるんだど」円窓を肱 で拭 っている。 「糞壺」のストーヴはブスブス燻 ってばかりいた。鮭や鱒と間違われて、「冷蔵庫」へ投げ込まれたように、その中で「生き......
ここに意味を表示
小さな音・不鮮明な音の表現・描写・類語(音の響きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
見えない声が不明瞭になにか答えている。
梶井基次郎 / 冬の蠅
耳から少しでも意識をそらすと消えてしまいそうな、慎ましい音だった。
小川洋子 / ダイヴィング・プール「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
車の往来の盛んな通りを一本挟んだ席で、近いテーブルの客たちの会話は、その僅かな隔たりを越える間に、適度に搔き消されていた。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「音の響き」カテゴリからランダム5
ガラスケースの中にいるような静けさ
吉本 ばなな / キッチン「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
火は、無数の人間の関節が一斉に鳴るようにメキメキと音を立てる
三島由紀夫 / 金閣寺 amazon
目の前が光った。間を置かずに、巨木が真っ二つに引き裂かれるような音がして、何か悲劇的なまでに痛烈な落雷の地響きが伝わってきた。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
音の響き の表現の一覧
感覚表現 大カテゴリ