山の陰に消残つて、雪の色も仄 に青く煙つてゐる。
芥川龍之介 / 芋粥 ページ位置:46% 作品を確認(青空文庫)
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雪
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前後の文章を含んだ引用
......笑を含みながら、わざと、五位の顔を見ないやうにして、静に馬を歩ませてゐる。両側の人家は、次第に稀になつて、今は、広々とした冬田の上に、餌をあさる鴉 が見えるばかり、山の陰に消残つて、雪の色も仄 に青く煙つてゐる。晴れながら、とげとげしい櫨 の梢が、眼に痛く空を刺してゐるのさへ、何となく肌寒い。 「では、山科 辺ででもござるかな。」 「山科は、これぢや。もそつと、さきでござる......
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雪の表現・描写・類語(雪・霜・あられのカテゴリ)の一覧 ランダム5
雪は大気をおしわけるようにゆっくりと、黒く、白く、まばらに降りてくる。
幸田 文 / 流れる amazon
雪の色はそこまで行かぬうちに闇に呑まれていた
川端康成 / 雪国 amazon
白い粒が空から落ちてくる。花火を見ているときみたいに、街全体が白い結晶の中に吸い込まれていく感じがする。
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 amazon
砂塵のように、雪が人気のないホームに幾重もの襞(ひだ)となって流れている
連城 三紀彦 / 棚の隅 amazon
雲が吐き出す息のように、雪まじりの風が流れる
連城 三紀彦 / 棚の隅 amazon
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「雪・霜・あられ」カテゴリからランダム5
刻々と暗色を深めながら砕け散る空と海は、もうどこが境界線なのか判別できなかった。雪も天に向けて逆巻いていた。
宮本 輝 / 螢川「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
木桶の中の水に氷が張り、柄杓(ひしゃく)を持ち上げると月を突き刺したように薄い氷まで持ち上がってくる
阿久 悠 / 瀬戸内少年野球団〈上〉 amazon
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