靄は水上からだんだん灰白色の厚味を増して来る。
岡本かの子 / 渾沌未分 ページ位置:89% 作品を確認(青空文庫)
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霧・かすみ・もや
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前後の文章を含んだ引用
......濁って、気圧は昨夜よりまだ重かった。寝巻一重 の肌 はうすら冷たい。 「秋が早く来過ぎたかしらん」 小初は独りごちながら窓から外を覗いてみた。 靄 だ。 よく見ていると靄は水上からだんだん灰白色の厚味を増して来る。近くの蘆洲は重たい露 でしどろもどろに倒れている。 今日は青海流水泳場の遠泳会の日なのである。 小初は気が重かった。体もどこか疲れていた。けれども、父親の老先生が......
単語の意味
灰白色(かいはくしょく・はいはくしょく)
灰白色・・・灰色がかった白。灰白(はいじろ)。
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霧が無数の捲き毛となって流れている
加賀 乙彦 / 海霧 amazon
広い東京市中が、海のような濛靄(もや)の中に果てもなく拡がって見えたり
徳田 秋声 / 足迹 amazon
深くなった乳色の靄が、木立に絡まるように漂う
原田 康子 / 挽歌 amazon
切れ切れの霧が窓をかすめて、沿線風景を墨絵のようにぼかす
内田 康夫 / 釧路湿原殺人事件 amazon
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雨がシャワーのように機械的に連続して降る
大岡 昇平 / 野火 amazon
それほど激しい降りではないが、おそろしく執拗な性質を持った雨だった。前日の昼過ぎに降り始めてから一度も降り止んでいない。そろそろ降り止みそうかなと思ったところで、また思い出したように雨脚が強くなる。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
(雨は)板屋根にも単調でもの憂げな音をたてる。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
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