坂を上ったところのステーキハウスはかなり混んでいたが、二人分の席は確保できた

ナイフを入れて一口含んでみると、ふっくらと柔らかな肉片から滋味がほとばしる

ワイルドな肉塊

子牛のソテーには酸味の強いレモンソース

ブラウンソースに覆われた肉塊は、ナイフにほとんど抵抗すら感じさせない柔らかさで、バラ色の均質の肌をさらし、一口、舌に乗せたその香ばしい甘さと溶けるような崩れ方は、目を剥いたほどの絶品だった

ビーフステーキの柔らかさと味のよさに私は満足した

白い皿の上でタップ・ダンスでも踊りそうな、活きのよいビーフカツレツ

レバーは女将のススメに従ってタレにした。噛みしめるタレの甘さに、漠然と欠落する何かを感じている。この甘さは別の味を支える脇役であったはずだ。

こってりとした本格的なビフテキ

一般的にフライ物というのは、コロッケ、メンチカツ、ハムカツ、串カツ、アジフライ、カキフライ、イカフライあたりをいい、トンカツとなると、別格という感じになる。 　フライ物には違いないが、もはやそういっては失礼、というような風格さえある。