米を瀑布のようにざっと落下させる

小さいお櫃（ひつ）に過分な御飯。

炊きたての真っ白な飯が、ぱっと蓋を取った下から煖かそうな湯気を吐きながら黒い器に盛り上って、一と粒一と粒真珠のようにかがやいている

おいしいお米は炊いてるときの湯気の匂いから違う。炊き上がってふたを開け、しゃもじでかき混ぜていると昔の炊き立てのご飯を思い出す

フランス人はパンが好きで、パンならいくらでも食べられるが、ご飯は食べなれていないし、野菜としてあつかうくらいだから、ほんの少ししかたべない。

きのこがご飯と渾然一体となって森林の香りをかもし出し、鶏肉と油揚げによるコクと旨味がご飯にしみている

（激辛三十倍カレー）辛さは、食べ進むにつれて倍加していくようだ。 　全員茹だったような顔になり、思考力は半減し、一種の酩酊状態に陥る。 「味はどうか」といわれても困る。味などまるでわからぬ。かすかな酸味と、凶暴な辛さと、嚙みしめると歯に残ってキシキシと感じる香辛料の残滓が印象に残っているだけだ。確かに人間の食べものではないのかもしれない。 　辛さを耐えしのぐには、氷の入った水がいちばん有効である。ビールは意外に頼りにならない。

タコライスのタコはタコスのタコ《…略…》つまり”タコスの具のせご飯”

混ぜご飯は本来、貧乏食であり、次第に贅沢な食として変貌してきた

寒い日にふうふう言いながら食べる蒸し寿司は格別の味