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心を集注する熱が、何だか胸の辺で欠乏している。
宮本百合子 / 伸子 ページ位置:19% 作品を確認(青空文庫)
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気が散る・集中できない
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前後の文章を含んだ引用
......、途方もない言葉使いに頓着なく、没頭するのであった。けれども、今夜はどうもはかどらない。必要な表現が、彼女の貧弱な語彙ごいに無いからばかりでなかった。興味の湧くまで心を集注する熱が、何だか胸の辺で欠乏している。そういう感じであった。伸子は、考えるにも字を書こうにも、自分という全存在の影が、俄に薄くなりでもしたような手応えなさを、内部的に感じるのであった。淋しいと彼女は......
単語の意味
辺・畔(ほとり)
胸(むね)
辺・畔・・・1.すぐ近くの場所。近辺。そば。あたり。
2.陸地と水面が接しているところ。川や海などの水際。岸。きわ。
・・・1.体の前面で、首と腹との間の部分。また、その内側にある心臓や肺臓、胃などの内臓。
2.(胸に宿るとされている、)心。想い。心中。
3.乳房(ちぶさ)。おっぱい。
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