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夜は始まったばかりで、月が海の上に浮かんでいる

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月が氷のように冴え返った真夜半（まよなか）

夢野久作 / ドグラ・マグラ関連カテ夜月

山々の黒い影が、闇よりもずっしりと黒く街を見つめている。

吉本ばなな / 満月キッチン2「キッチン (角川文庫)」に収録　amazon関連カテ山夜シルエット・影絵

人も犬も月も何（なん）にも見えません。その時に私はこの「夜（よる）」の中に巻き込まれて

夏目漱石 / 吾輩は猫である関連カテ暗い・闇夜

（瀬は）尻（し）っ尾（ぽ）のように細くなって下流の闇のなかへ消えてゆく

梶井基次郎 / 闇の絵巻関連カテ川夜

雨は依然として湿原を曇らせつつ、次第に暗くなって行った。まず遠い「歓喜峰」が消え、アカシヤの木が消え、次いで前面の林が消えて、やがて何も見るもののない闇となった。

大岡昇平「野火（新潮文庫）」に収録　amazon

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月と街灯と暗がりと横切る猫と住宅街の影の中

吉本ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録　amazon関連カテ街灯・外のあかり夜

空はどんどん深い青へ染まっていく。どこまでも澄んだ水のような色だった。太陽がオレンジ色の丸になって海面に近づいていく。

よしもとばなな / 銀の月の下で「まぼろしハワイ」に収録　amazon関連カテ夕方日の入り・日没

若葉の山腹が西日を受けて、野の只中に金屏風を立てたように見える

三島由紀夫 / 金閣寺　amazon関連カテ山夕方

（傾いた陽）路上のどんな小さな石粒も一つ一つ影を持っていて、見ていると、それがみな埃及（エジプト）のピラミッドのような巨大（コロッサール）な悲しみを浮かべている。

梶井基次郎 / 冬の日

アパートの郵便受に邪慳な音で朝刊が差し込まれる。

向田邦子 / マンハッタン「思い出トランプ（新潮文庫）」に収録　amazon

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