私を「女子」とみなさないのも当然かもしれない。私は生物学上メスであっても、いわゆる「女子」という生き物ではないのだ。
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 ページ位置:79% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
みにくい顔
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......、ほとんど膨らんでいない乳房。その下の尻と脚は脂肪で膨れ上がっている。そして、その上には窪んだ目の骸骨のような顔が、眼鏡をかけてこちらを見ていた。 菊地くんが、私を「女子」とみなさないのも当然かもしれない。私は生物学上メスであっても、いわゆる「女子」という生き物ではないのだ。 鏡の中の自分の醜さに吐き気がした。思わず、上半身裸のまま便器に顔を近づけたが、咳き込むだけで何も出なかった。 のろのろと立ち上がり、服を着て外に出た。 いくら......
ここに意味を表示
みにくい顔の表現・描写・類語(顔のカテゴリ)の一覧 ランダム5
彼を誘う性的な牽引力のない(顔)
野間 宏 / 顔の中の赤い月「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
すみれは一般的な意味あいではとても美人とは言えなかった。頰がこけて、口はいささか横に広がりすぎていた。鼻は小さくて少し上を向いていた。表情は豊かで、ユーモアを好んだけれど、声をあげて笑うことはほとんどなかった。背が低く、たとえ機嫌の良いときでもつっかかるような口のきき方をした。口紅や眉ペンシルなんて生まれてから一度も手にしたことはなかったと思う。ブラジャーにサイズがあるということだって、正確に知っていたかどうかあやしいものだ。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
彼はもう二度とその女を見たいとは思わなかった
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「顔」カテゴリからランダム5
昔の輝くような美貌を偲ばすに足る均斉の正しい上品な、しかし老いしなびた顔
菊池 寛 / ある恋の話 amazon
顔など女のように肉のついた爺
宮本百合子 / 明るい海浜
同じカテゴリの表現一覧
顔 の表現の一覧
人物表現 大カテゴリ