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月の輝きを無心に眺めているうちに、天吾の中に古代から受け継がれてきた記憶のようなものが呼び起こされていった。人類が火や道具や言語を手に入れる前から、月は変わることなく人々の味方だった。それは天与の灯火として暗黒の世界をときに明るく照らし、人々の恐怖を和らげてくれた。その満ち欠けは時間の観念を人々に与えてくれた。月のそのような無償の慈悲に対する感謝の念は、おおかたの場所から闇が放逐されてしまった現在でも、人類の遺伝子の中に強く刷り込まれているようだった。集合的な温かい記憶として。
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単語の意味
慈悲(じひ)
無心(むしん)
遺伝子(いでんし)
暗黒・闇黒(あんこく)
慈悲・・・相手をいつくしみ、悲しむこと。かわいがり、かわいそうに思うこと。また、情け深いこと。
無心・・・1.無邪気なさま。雑念や欲望にまったくとらわれてないさま。
2.正当な理由も無く、人に金品をねだること。
遺伝子・・・細胞の中にあるDNAの一部で生物の設計図になる情報。DNAの所々にあって、背を伸ばすとか、二重まぶたになるとか、血液型とか、その人を作る設計図のような情報がしまわれている部分。ヒトの場合、およそ二万二千個の遺伝子があると言われている。
暗黒・闇黒・・・1.暗いこと。暗闇であること。光が一切になく真っ暗な状態。
2.1が転じて、希望が持てない状態。世の中の秩序が乱れたり人命が軽視されたりすること。また、文明が遅れていること。「暗黒街」
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欠けてゆく月がはるか天空に小さく強く光っていた。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
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