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まだ誰かの泣く声がする。おれは縄を解きながら、じっと耳を澄ませて見た。が、その声も気がついて見れば、おれ自身の泣いている声だった
芥川龍之介 / 藪の中 ページ位置:94% 作品を確認(青空文庫)
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泣く・涙を流す
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前後の文章を含んだ引用
......、一箇所だけおれの縄 を切った。「今度はおれの身の上だ。」――おれは盗人が藪の外へ、姿を隠してしまう時に、こう呟 いたのを覚えている。その跡はどこも静かだった。いや、まだ誰かの泣く声がする。おれは縄を解きながら、じっと耳を澄ませて見た。が、その声も気がついて見れば、おれ自身の泣いている声だったではないか? (三度 、長き沈黙) おれはやっと杉の根から、疲れ果てた体を起した。おれの前には妻が落した、小刀 が一つ光っている。おれはそれを手にとると、一突きに......
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泣く・涙を流すの表現・描写・類語(動作・仕草・クセのカテゴリ)の一覧 ランダム5
溢れるまでは涙が目を焼くほどに熱く、頬を伝わる時は総毛立つほど冷たい
永井 龍男 / 一個・秋・その他 amazon
頰 を涙が 滂沱 と流れている
池井戸潤「下町ロケット (小学館文庫)」に収録 amazon
少女らしく涙があふれた。
林芙美子 / 新版 放浪記
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「動作・仕草・クセ」カテゴリからランダム5
ぐいと麦茶を飲む。ぐんぐんくだっていく冷たい液体の感覚が、見えないはずの体の中身を教えてくれる。
朝井 リョウ「武道館 (文春文庫)」に収録 amazon
(焼きソバを食べる)残り少ない短いソバを愛撫するように掻き集める手つき。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
涙の出るにまかせていた。
林芙美子 / 新版 放浪記
「泣く」カテゴリからランダム5
顔を 歪めて泣いた。声もたてず涙も流さず、それでも精一杯顔筋をひきしぼって泣いたのである。
宮本 輝 / 螢川「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
横断歩道の信号が赤になり、立ち止まったその時、わたしは初めて、自分が泣いていることに気づいた。
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
しくしく蚊のように泣く
泉 鏡花 / 高野聖 amazon
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