屍体はみな腐爛 して蛆 が湧き、堪 らなく臭い。それでいて水晶のような液をたらたらとたらしている。
梶井基次郎 / 桜の樹の下には ページ位置:39% 作品を確認(青空文庫)
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死人・遺体
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前後の文章を含んだ引用
......体が埋まっていると想像してみるがいい。何が俺をそんなに不安にしていたかがおまえには納得がいくだろう。 馬のような屍体、犬猫のような屍体、そして人間のような屍体、屍体はみな腐爛 して蛆 が湧き、堪 らなく臭い。それでいて水晶のような液をたらたらとたらしている。桜の根は貪婪 な蛸 のように、それを抱きかかえ、いそぎんちゃくの食糸のような毛根を聚 めて、その液体を吸っている。 何があんな花弁を作り、何があんな蕊 を作っているのか......
単語の意味
堪らない(たまらない)
蛆(うじ)
水晶・水精(すいしょう)
堪らない・・・気持ちを抑えられない。気持ちを抑えられないくらい、素晴らしく素敵。なんともいえないほど素晴らしい。「仕事のあとのビールは堪らない」
蛆・・・ハエやハチなどの幼虫。円筒形で足がなく、白っぽい虫。蛆虫(うじむし)。
水晶・水精・・・クオーツ(Quartz)の和名。大きく結晶した石英(せきえい[=二酸化ケイ素が結晶してできた鉱物])のこと。普通は無色透明で、不純物が混ざると色が付く。硬度7。4月の誕生石。
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ネグリジェの中の体は冷えた粘土のように堅く、重かった。
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