もの静かで能弁な沈黙だった。僕はそれまで、沈黙というのはただじっとだまっているだけのことだと思っていた。《…略…》変な言い方だとは思うけれど、耳を澄ませれば彼の頭が最高速度で回転している音が聞こえそうだった。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(下) 作品を確認(amazon)
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木部はまたうつろに笑ったが、その笑いの響きが傷口にでも答えたように急に黙ってしまった。
有島武郎 / 或る女
下を向いたぎり何 にも言わない。
夏目漱石 / 吾輩は猫である
次に何を聞けばいいのかわからなくなって、口を閉ざした。
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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「なあなあです、みきさん」 俺が言うと、「そやな」とみきさんは笑った。 はじめて使った神去弁は、やわらかく早春の空気に溶けた。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 amazon
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