さらさらと爪先をするような聴きなれた母の跫音
宮本百合子 / 伸子 ページ位置:27% 作品を確認(青空文庫)
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足音・靴音
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前後の文章を含んだ引用
......当りの曇硝子の戸から、女中の不用意な顔があらわれた。四人、父を先立てて来るのを認めると、びっくりし抜いたようだ。 「まあ!」 挨拶もせず、いきなり奥へ駈けこんだ。さらさらと爪先をするような聴きなれた母の跫音がした。伸子は、母が床についているとばかり思いこんでいたので、その軽い速い熱心な足どりを聞きつけると、自分が帰ったときいて、亢奮のあまり立ってきたのではないかと......
単語の意味
爪先(つまさき)
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まるで廊下で四股を踏まれるような騒々しい足音
宇野浩二 / 蔵の中 amazon
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瀬鳴りの音が静寂の天地に澄みかえる
菊池 寛 / 恩讐の彼方に amazon
曲りくねった一株の松が、こうこうと夜風に鳴る音だけ
芥川龍之介 / 杜子春
廊下の壁に反響する自分の靴音を一つ、一つ聞きながら手術室に近づいていった。
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 amazon
不気味な静寂が、いまにも破裂しそうな気配をはらんで、風船のようにふくれ上がる
ウィリアム・アイリッシュ / 黒いカーテン amazon
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足音を立てないように、爪先に気持ちを集中させて歩いた。
小川洋子 / 完璧な病室「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
風に吹かれる雨戸のようにふわふわしている。
林芙美子 / 新版 放浪記
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