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めでたきまでに玲瓏れいろうとした顔
横光利一 / 日輪 ページ位置:2% 作品を確認(青空文庫)
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美しい顔
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前後の文章を含んだ引用
......、大兄、なんじの勾玉は玄猪いのこつめのようにけがれている。」と、卑弥呼はいって、大兄の勾玉を彼の方へ差し示した。 「やめよ、爾の管玉は病めるかいこのように曇っている。」  卑弥呼のめでたきまでに玲瓏れいろうとした顔は、しばらく大兄をにらんで黙っていた。 「大兄、以後我は玉の代りに真砂まさごを爾に見せるであろう。」 「爾の玉は爾の小指のように穢れている。」と、大兄はいうと、その皮肉な微笑を......
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玲瓏(れいろう)
玲瓏・・・1.宝石や金属が触れ合ったときのように、澄みきった美しい音や声を立てるさま。
2.宝石のように、美しく澄みきっているさま。
「玲」は「玉(=宝石)の涼しげに鳴る音の形容」につかう字。「瓏」は「玉が触れ合って鳴る明らかな音」や「明らかなさま」をあらわす字。
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良枝は唇を 歪めて笑った。怒りに たぎる頭の中の 醒めた片隅で、祐次は改めて良枝の美しさを確認した。
浅田次郎 / オリヲン座からの招待状「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon関連カテ怒る・いかり美しい顔
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私は思わず大きな声をあげていた。  旦那の目鼻が顔の下のほうにずり下がっていたのだ。  瞬間、私の声に反応するかのように、目鼻は慌ててささっと動き、そして何事もなかったように元の位置へ戻った。私は息を吞んだ。《…略…》よくよく注意してみると、旦那の顔は、臨機応変に変化しているのだった。人といる時は、体裁を保ってきちんと旦那の顔をしているのだが、私と二人だけになると気が緩むらしく、目や鼻の位置がなんだか適当に置かれたようになる。一ミリや二ミリの誤差なので、よほど旦那に興味がなければ、気が付く者はいないだろう。似顔絵の輪郭が、水に溶けてぼやっとにじむような、曖昧模糊とした変化なのだ。 本人にも気付かせようと、顔が適当になっている時に、「ねえ、ヒゲが伸びてる。」とか、「鼻のところ確認したほうがいいよ。」などとあれこれ理由をつけて、鏡に向き合わせてみた。すると鏡に向き合った瞬間、なんとなくここら辺だろうと、いい加減に置かれていた目鼻が、ピタッと整列するように本来の位置に収まる。《…略…》旦那の顔がいちばん雑になるのは、ハイボール片手にバラエティ番組を観ている時だということは確かだった。
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