TOP > 感覚表現 > 状態・状況 > きたない(よごれ・シミ)
天井のしみの真ん中に止まった。それはこの前見た時より一回り大きくなっているようだった。何種類もの絵の具を混ぜたような暗い色が、天井を丸く染めていた。鼓動を小刻みに震わせる羽が、しみの中に透明に浮き出ていた。
小川 洋子 / ドミトリイ「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 ページ位置:49% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
きたない(よごれ・シミ)
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......庭の緑に陽射しが降り注ぎ、くっきりと光っていた。ゆるやかな風が吹いていた。さっきチューリップの中を飛んでいた蜜蜂が、わたしたちの間を通り抜け部屋の中に紛れ込み、天井のしみの真ん中に止まった。それはこの前見た時より一回り大きくなっているようだった。何種類もの絵の具を混ぜたような暗い色が、天井を丸く染めていた。鼓動を小刻みに震わせる羽が、しみの中に透明に浮き出ていた。 先生は最後に残していたショートケーキのてっぺんの苺を、ぱくりと飲み込んだ。 いとこはまだ帰ってきそうになかった。自転車の音がしないか耳を澄ましたが、蜜蜂の羽の......
ここに意味を表示
きたない(よごれ・シミ)の表現・描写・類語(状態・状況のカテゴリ)の一覧 ランダム5
岡本かの子 / 巴里祭
股の部分についた血をぼんやり見ていれば、それはなんだか日本地図に見えないこともなく
川上 未映子「乳と卵(らん) (文春文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「状態・状況」カテゴリからランダム5
だだっ広い囲炉裏の間 はきちんと片付けてあって、居心よさそうにしつらえてある。
有島武郎 / 生まれいずる悩み
逃げ出した患者達は力を失い、豆を 撒いたように、 玉蜀黍 畑 の 畦 の間に倒れて動かなかった。
昇平, 大岡「野火(のび) (新潮文庫)」に収録 amazon
まだまだ遠い他人事 の気持
梶井基次郎 / のんきな患者
上げ潮のように前途有望な龍馬の将来
水道橋博士「藝人春秋 (文春文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
状態・状況 の表現の一覧
感覚表現 大カテゴリ