雲は北から南に向けて緩い速度で移動していた。上空を吹いている風は強いものではないらしい。あるいは雲はよほど高いところにあるのかもしれない。いずれにせよ彼らは決して先を急いではいない。
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雲の流れ
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単語の意味
上空(じょうくう)
上空・・・空の上の方。また、ある地点の上に広がる空。
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雲は次々に南に向けて空を吹き流されていた。どれだけたくさん流されても、あとからあとから雲は現れてきた。遥か北方の地にそれらの雲を無尽蔵に供給する源があるに違いない。頑なに心を決めた人々が、灰色の厚い制服に身を包んで、そこで朝から晩までただ黙々と雲を作り続けているのだ。蜂が蜜を作り、蜘蛛が巣を作り、戦争が寡婦を作るように。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
煙のように薄白い雲が形もなく流れて星を舐(ねぶ)る
内田 百けん / 冥途・旅順入城式 amazon
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マシマロのように溶けてしまいそうに柔かい月が芝居の書割のようにぼんやりと浮かんでいる。
林 芙美子 / 女性神髄「女性神髄 (1949年) (養徳叢書〈日本篇 第45〉)」に収録 amazon
雲の隙間に過去の記憶のように星がまたたいて消える
加賀 乙彦 / 海霧 amazon
鎌の形をした下弦の月が、中空に舞台のバックのように釘付けになっている
徳永 直 / 太陽のない街 amazon
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