大学から駅まで続く道が好きだ。等間隔に植えられている木が道を囲んでいて、喩えるなら表参道から高級さをすっぽりと抜いた感じ。いろんなひとがいろんな話をしながら歩いて、いろんな形の人間関係が築かれただろうこの道は、なんだかすごく大切なもののように思える。
朝井 リョウ / 僕は魔法が使えない「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置:13% 作品を確認(amazon)
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並木道
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前後の文章を含んだ引用
......ないけど」「桜にも人物画がいいって言われました」「……昔の女の意見なんて一番アテにしないほうがいいよ」 ナツ先輩はたばこの煙みたいな声でそうつぶやいた。 俺は、大学から駅まで続く道が好きだ。等間隔に植えられている木が道を囲んでいて、喩えるなら表参道から高級さをすっぽりと抜いた感じ。いろんなひとがいろんな話をしながら歩いて、いろんな形の人間関係が築かれただろうこの道は、なんだかすごく大切なもののように思える。 夕陽が葉を撫でるようにオレンジ色の匂いを振りまいている。鼻が高いナツ先輩は、横顔が特に美しい。「まあ、人物画とか関係なくさ、自分が向き合いたいと思ったものを描......
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並木道の表現・描写・類語(道・道路のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(緑道)両脇には植えられたばかりの緑が整列している。まだ添え木がされている木々はまるで作り物みたいに綺麗で、綺麗過ぎて、緑の匂いがどこからも漂ってこない。まだ若い葉っぱたちが微かにこすれる音だけが、かろうじて聞こえていた。
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 amazon
アーケエドのように枝を延ばした欅(けやき)並木
上林 暁 / 野「上林暁全集〈第3巻〉小説(3)」に収録 amazon
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「道・道路」カテゴリからランダム5
細い道が、あやふやな薄明りで、魚の腹のような色をして伸びている
内田 百けん / 百鬼園随筆 amazon
足が凍った土にとられて、スッテンコロリンと転がった
沢村貞子 / 貝のうた amazon
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