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空気は暖かく乾き、軽やかで、ガソリンの匂いが心地よく葉のない並木の梢に漂っている。
宮本百合子 / 伸子 ページ位置:7% 作品を確認(青空文庫)
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街や村の雰囲気・印象
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前後の文章を含んだ引用
......た。傍で一人が爪先をコトコトやっていたが、やがて連立つと、几帳面に角を廻って横町に見えなくなった。尻を振るようにしてきくりと曲った後姿に、伸子は我知らず笑った。空気は暖かく乾き、軽やかで、ガソリンの匂いが心地よく葉のない並木の梢に漂っている。伸子は、街路の活溌なにおいに心を誘われた。彼女は窓をしめ、寝室に行った。そして帽子をつけ、外套を着、さて戻って出すべき手紙をとりあげた時であった。 伸子は、異様......
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街や村の雰囲気・印象の表現・描写・類語(家・建物のカテゴリ)の一覧 ランダム5
この町、少し古びていて少し整然としている建物や、広い道路にふちどられている場所。
吉本 ばなな / 新婚さん「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
白魚のくねったように細長く湾曲している町の姿
宮尾 登美子 / 楊梅(やまもも)の熟れる頃 amazon
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不健康な住居
宮本百合子 / 伸子
外観と同じく、離れの内部もやはり寒々としていた。ダイニングキッチンと書斎兼寝室の二部屋しかないのだが、狭さよりも味気なさの方が目立っていた。家具はどれも安物で、壁紙はくすみ、廊下は気味の悪い音を立てて軋んだ。また呼び鈴だけでなくあらゆるものが壊れるか、壊れそうになっていた。トイレの小窓にはひびが入り、勝手口のドアノブは半分取れかけ、食器戸棚の上にあるラジオは、いくらスイッチを押しても鳴らなかった。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 amazon
〈風と共に去りぬ〉のモデルハウスになった家の前も通った。長い裾をひいたスカーレット・オハラが、戸口から出てきても不思議に思えないような雰囲気が、まだじゅうぶん残っていた。
石井 好子「東京の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon
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