火の見へあがると、この界隈 を覆っているのは暗い甍 であった。《…略…》レストランの高い建物が、思わぬところから頭を出していた。
梶井基次郎 / ある心の風景 ページ位置:42% 作品を確認(青空文庫)
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見下ろした風景
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前後の文章を含んだ引用
......、眼の前の小部屋の障子が開いていた。なかには蒲団が敷いてあり、人の眼がこちらを睨 んでいた。知らぬふりであがって行きながら喬は、こんな場所での気強さ、と思った。 火の見へあがると、この界隈 を覆っているのは暗い甍 であった。そんな間から所どころ、電燈をつけた座敷が簾 越しに見えていた。レストランの高い建物が、思わぬところから頭を出していた。四条通はあすこかと思った。八坂神社の赤い門。電燈の反射をうけて仄 かに姿を見せている森。そんなものが甍 越しに見えた。夜の靄が遠くはぼかしていた。円山、それから東山 ......
単語の意味
甍(いらか)
甍・・・1.瓦で覆われた屋根。また、その瓦。
2.屋根の頂上の部分。
2.屋根の頂上の部分。
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普 段 下からばかり見上げていた柿の木が、今は足の下にある。
志賀直哉「暗夜行路 (講談社文庫)」に収録 amazon
遥か真下に糸のような細さに見える渓流
中島 敦 / 中島敦 amazon
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(丘を回り込むと)女の背のような優美な側面は、いつか意外に厳しく狭い正面に変り、三角の頂上から、両足をふんばったように、二つの小尾根を左右に投げ落していた。
大岡 昇平「野火(新潮文庫)」に収録 amazon
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