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緋色に乾いた唇が狼のようにガックリと開いて、白茶気た舌がその中からダラリと垂れました。何者かをあざけるように……それは平生の謹厳な、紳士的な若林博士を知っている者が、夢にだも想像し得ないであろう別人の顔……否……彼がタッタ一人で居る時に限って現われる悪魔の形相……。
夢野久作 / ドグラ・マグラ ページ位置:48% 作品を確認(青空文庫)
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偽善者・裏の顔・本性
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......ました。泣いているのか、笑っているのか判然わからないまま……洋紙のように蒼褪あおざめた顔色の中で、左右の赤い眼が代る代る開いたり閉じたりし初めました。何事かを喜ぶように……緋色に乾いた唇が狼のようにガックリと開いて、白茶気た舌がその中からダラリと垂れました。何者かをあざけるように……それは平生の謹厳な、紳士的な若林博士を知っている者が、夢にだも想像し得ないであろう別人の顔……否……彼がタッタ一人で居る時に限って現われる悪魔の形相……。  けれどもそのうちに彼はソロソロと顔を上げて参りました。いつの間にか乾いている額の乱髪を、両手で押上げつつ、青白い瞳をあげて、頭の上に輝く四個の電球を睨み詰まし......
単語の意味
緋色(ひいろ)
謹厳(きんげん)
狼(おおかみ)
緋色・・・濃い明るめの赤色。深紅色。スカーレット。
謹厳・・・謹(つつし)んでいて、厳(いかめ)しいこと。軽はずみなところがなくて、真面目で近寄りがたいこと。
・・・イヌ科の哺乳動物。形は日本犬に似ており、性格は獰猛な野獣。畑を荒らす動物を捕食するため、日本では神聖視する地域もあった。「大神」が由来。
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恐縮するほど丁重に応じてくれた。
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