はっと思ったその時おそく、君らはもうまっ白な泡 に五体を引きちぎられるほどもまれながら、船底を上にして顛覆 した船体にしがみつこうともがいていた。
有島武郎 / 生まれいずる悩み ページ位置:43% 作品を確認(青空文庫)
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転覆・船が沈む
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前後の文章を含んだ引用
......で、力なく漂う船の前まで来ると、波の山は、いきなり、獲物に襲いかかる猛獣のように思いきり背延びをした。と思うと、波頭は吹きつける風にそりを打って鞺 とくずれこんだ。 はっと思ったその時おそく、君らはもうまっ白な泡 に五体を引きちぎられるほどもまれながら、船底を上にして顛覆 した船体にしがみつこうともがいていた。見ると君の目の届く所には、君の兄上が頭からずぶぬれになって、ぬるぬると手がかりのない舷 に手をあてがってはすべり、手をあてがってはすべりしていた。君は大声を揚げて......
単語の意味
五体(ごたい)
五体・・・身体を構成する五つの部分。頭・首・胸・手・足。また、頭・両手・両足。漢方では、筋・脈・肉・骨・皮。転じて、全身。
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