しばらく喋るのを止めた。それぞれが自分たちの中で様々なことを考えていた。その無言の思案に囲まれるテーブルは、肩身が狭そうでもあった。
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 ページ位置:31% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
黙る・沈黙
テーブル・机
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......なっている?」と訊ねる。「それほど遠くないよ。綱島だ」久遠は免許証に目を向けると、威勢良く住所を読み上げた。「パークマンションの二〇一号室」 成瀬たちはそこで、しばらく喋るのを止めた。それぞれが自分たちの中で様々なことを考えていた。その無言の思案に囲まれるテーブルは、肩身が狭そうでもあった。 しばらくすると響野が立ち上がり、喫茶店内を歩きはじめる。考えごとをする場合に、特に結論が目前まで迫った時に、行ったり来たりを繰り返すのは響野の昔からの癖だった......
単語の意味
暫く・姑く・須臾(しばらく)
暫く・姑く・須臾・・・1.長いと感じるほどではないが、すぐともいえないほどの時間。ちょっとの間。一時的。
2.ちょっと待った!
2.ちょっと待った!
ここに意味を表示
黙る・沈黙の表現・描写・類語(声・口調のカテゴリ)の一覧 ランダム5
雨に濡れた鹿苑寺の大きな黒い瓦屋根のような沈黙の重みが私の上に在った。
三島 由紀夫 / 金閣寺 amazon
(沈黙が怖くて、)話のネタのために毎日を生きているみたいだった。とにかく〝しーん〟が怖くて、ボートに浸水してくる冷たい沈黙の水を、つまらない日常の報告で埋めるのに死に物狂いだった。指のここ怪我した、昨日見たテレビおもしろかった、朝に金魚死んだ。一日あったことを全部話しても足りず、沈黙の水はまたじわじわと染みてくる。
綿矢 りさ / 蹴りたい背中 amazon
少しの間、沈黙の絵の具が流れた。その色はきれいなグレイだった。
大原 まり子 / イル&クラムジー物語 amazon
このカテゴリを全部見る
テーブル・机の表現・描写・類語(道具・家具のカテゴリ)の一覧 ランダム5
頑丈で磨きのよくかかった 栗の木の食卓
石井 好子「東京の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon
梶井基次郎 / ある心の風景
このカテゴリを全部見る
「声・口調」カテゴリからランダム5
うふと気味の悪い胃弱性の笑を洩 らした
夏目漱石 / 吾輩は猫である
「道具・家具」カテゴリからランダム5
まるで腕の悪い泥棒が無理矢理押し入ったみたいな有様で窓ガラスが割れている
東川 篤哉 / 謎解きはディナーのあとで amazon
スーツや眼鏡とは違い、時計は早くから使い始めなければ馴染まないことを計算に入れて、小池くんは稼ぎのなかった大学生のころから、時計だけは本物を手に入れていた。
綿矢 りさ / 亜美ちゃんは美人「かわいそうだね? (文春文庫)」に収録 amazon
ゴム管が、強靭な腸のように赤黒い。
武田 泰淳 / 風媒花 amazon
同じカテゴリの表現一覧
声・口調 の表現の一覧
道具・家具 の表現の一覧
感情表現 大カテゴリ
感覚表現 大カテゴリ
人物表現 大カテゴリ