現代人にとっての羅針盤とはもしかしたら時計なのかもしれない。
伊坂 幸太郎 / オーデュボンの祈り ページ位置:22% 作品を確認(amazon)
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時計・秒針
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......に目が覚めた。草薙の家を後にしたのは、何時だったのだろう。そもそも自分のしている腕時計が、正しく動作しているのかどうかも怪しかった。針は夜中の二時を指している。現代人にとっての羅針盤とはもしかしたら時計なのかもしれない。否が応でも進むエスカレーターに乗りながらも、人はなお時間を気にしている。 比較的、意識ははっきりとしていた。ベッドから起き上がると、首を左右に動かす。 それから......
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二杯目が来るまでの間に、僕はタバコを出して火をつけた。ここで少しペースを落としておこうという気持ちの表れだった。
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