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戦争中に発行された本だった。紙質はひどく悪く、ページをめくるたびにかびの匂いがした。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 ページ位置:88% 作品を確認(amazon)
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ぼろい・使い古された
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前後の文章を含んだ引用
......のほこりがそこだけ綺麗になって、背表紙も列から少しはみ出していた。 僕はそれを棚からひっぱり出し、長椅子に座ってページをめくってみた。「亜細亜主義の系譜」という戦争中に発行された本だった。紙質はひどく悪く、ページをめくるたびにかびの匂いがした。戦争中ということもあって内容は一方的で他愛なく、三ページごとにあくびがでるくらい退屈だったが、それでもところどころに伏せ字があった。二・二六事件に関しては一行も......
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本の表現・描写・類語(道具・家具のカテゴリ)の一覧 ランダム5
降雨の風景ばかりを撮った一冊がとくに気に入って、何度も繰り返し見入る。ページの間から雨のにおいが立ちのぼってくる。樹木やアスファルトを打つ雨滴のざわめきに包まれていると、そのまますうっと写真の街へ入り込んでいけそうな錯覚に襲われる。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
桃色のツルツルしたメクリがついていて、表紙によしの芽のような絵が描いてあった。
林芙美子 / 新版 放浪記
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すっかり錆付き、鳥のフンがこびり付き、最早どんな鍵を差し込んでも開きそうにない錠前だった。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 amazon
(スケッチブックは)始終持ち歩いていたせいで、緑色の表紙は、角が白く潰れてしまっている。
平野啓一郎「ある男」に収録 amazon
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手馴れた様子で唇のまんなかから満足そうに煙を吹きだし
村上春樹 / ねじまき鳥と火曜日の女たち「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
蜩(ひぐらし)の鳴くような音のする鈴
中 勘助 / 銀の匙 amazon
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悪魔的な不可抗力
夢野久作 / ドグラ・マグラ
それには常に純金ではなく、質の悪い合金が混ざっていた
新渡戸稲造 訳:岬龍一郎「いま、拠って立つべき“日本の精神” 武士道 (PHP文庫)」に収録 amazon
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