日本語表現インフォ：ピンとくる言葉や描写が見つかる辞典

写真機のシャッターがおりるように、庭が急に闇になった。

向田邦子 / かわうそ「思い出トランプ（新潮文庫）」に収録　ページ位置：96%　作品を確認（amazon）

この表現が分類されたカテゴリ

意識を失う（気絶・失神）暗い・闇脳卒中

しおりに登録する

前後の文章を含んだ引用

......ゃくした足どりで、縁側のほうへ歩いていった。首のうしろで地虫がさわいでいる。「メロンねえ、銀行からのと、マキノからのと、どっちにします」　返事は出来なかった。　写真機のシャッターがおりるように、庭が急に闇になった。......

ここに意味を表示

意識を失う（気絶・失神）の表現・描写・類語（恐怖・不安のカテゴリ）の一覧ランダム５

眠るようにおとなしく気を失って、ひょろひょろとよろめくと見る間に、くずれるように胴の間にぶっ倒れてしまった。

有島武郎 / 生まれいずる悩み

自分の肉体と精神の輪郭が薄くなっていくような感じがした。

吉本ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録　amazon関連カテ意識を失う（気絶・失神）目まい

意識が朦朧としてきて、抛（ほう）り出された手鞴（てふいご）のようにしぼむ

徳永直 / 太陽のない街　amazon

意識が遠のいていく。深い深い闇の底に・・・。

写真機のシャッターがおりるように急に闇になる

向田邦子 / 思い出トランプ　amazon関連カテ暗い・闇意識を失う（気絶・失神）

このカテゴリを全部見る

暗い・闇の表現・描写・類語（光と影のカテゴリ）の一覧ランダム５

闇よりも濃い樹木の闇

梶井基次郎 / 闇の絵巻

無限に広がった闇の中

茫乎とした闇

阿刀田高 / 甲虫の遁走曲（フーガ）「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録　amazon

（道も分からない暗闇に灯したマッチの火に安心を得る）暗闇に点（とも）された火は、また彼の空虚な頭の中に点された火でもあった。彼は人心地を知った。　一本の燐寸の火が、焔（ほのお）が消えて炭火になってからでも、闇に対してどれだけの照力を持っていたか、彼ははじめて知った。火が全く消えても、少しの間は残像が彼を導いた――

梶井基次郎 / 過古関連カテ安心する暗い・闇ライター・マッチ

暗がりに影のように立つ

このカテゴリを全部見る

脳卒中の表現・描写・類語（健康・体調・病気のカテゴリ）の一覧ランダム５

（手足のしびれ）小机の前に坐って、ペンを握ってみた。足がしびれて立てないときのもどかしさ、熱い新湯に入ったときの刺すような痛みが妙な具合にまざって、自分の手ではなかった。いつになったら字が書けるのか。

向田邦子 / かわうそ「思い出トランプ（新潮文庫）」に収録　amazon関連カテ痺れる・麻痺する脳卒中

（手のしびれ）石の上で細い煙を上げている煙草を拾った。手袋をはめたまま物を摑むような厚ぼったい感じがすこし気になった。

向田邦子 / かわうそ「思い出トランプ（新潮文庫）」に収録　amazon関連カテ痺れる・麻痺する脳卒中

右半身に軽い麻痺が残った。杖にすがればどうにか歩けるが、右手はまだ箸が覚束なかった。

向田邦子 / かわうそ「思い出トランプ（新潮文庫）」に収録　amazon関連カテ痺れる・麻痺する脳卒中

（脳卒中による手のしびれ）指先に挾んだ煙草が落ちたのは、そのときである。　風かな、と思った。　ふっと風にもってゆかれた、そんな感じだった。

向田邦子 / かわうそ「思い出トランプ（新潮文庫）」に収録　amazon関連カテ痺れる・麻痺する風を受ける脳卒中

写真機のシャッターがおりるように、庭が急に闇になった。

向田邦子 / かわうそ「思い出トランプ（新潮文庫）」に収録　amazon関連カテ暗い・闇意識を失う（気絶・失神）脳卒中

このカテゴリを全部見る

「光と影」カテゴリからランダム５

それは恐ろしいほどの完璧な暗闇だった。何ひとつとして形のあるものを識別することができないのだ。自分自身の体さえ見えないのだ。そこに何があるという気配さえかんじられないのだ。そこにあるものは黒色の虚無だけだ。

村上春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上)　amazon

ネオンのように明るい

薄暗い光がさらに薄くなり、懐中電灯の灯が命でも尽きるように弱々しく輝いてスーッと消えた

阿刀田高 / ミッドナイト物語　amazon

鈍く光る

それらの塗りものの沼のような深さと厚みとを持ったつや

谷崎潤一郎 / 陰翳礼讃　amazon関連カテつや・光沢・照り食器類

「恐怖・不安」カテゴリからランダム５

頬を伝う汗をシャツの袖でぬぐう

鉛のように重苦しい集計時間が過ぎていく。

池井戸潤「民王 (文春文庫)」に収録　amazon

悲鳴はすぐには出ない。人々の無言が、透明の、無音の爆発を起こすかのようだ。

伊坂幸太郎 / マリアビートル　amazon

（開けてはいけないと感じる不吉なガラスビンを前にして起こる恐怖と好奇心の葛藤）息を詰めたまま金属製のねじ蓋に手をかける。蓋は強く締まっている。このおかしな感じ、まるでガラス壜ではない何かをこじ開けて、口で言えないほど不吉なものを解き放とうとしているような感じはどこからくるのだろう？　フレテハイケナイ――カンガエテハイケナイ――。　声がまた聞こえる。頭のなかではなく、天井のあたりから降ってくる気がする。キョトキョトと周囲を見回す。部屋の空気が重く脈打っている。ベッドも衣類も壁もどくんどくんと脈打っている。蓋にかけた手が震える。震えが背筋を伝い、正座したまま上半身が他愛なく揺れる。《…略…》頭のなかにも部屋のなかにも動悸が響き渡る。嵐のようなその音のほか何も聞こえなくなる。まるで自分自身の心臓の内部にいるみたいだ。視界全体が拍動する。どくんどくんと叫ぶ。イケナイ、イケナイ、イケナイ、イケナイと叫ぶ。頭が割れる！　壜から手を離し、両側から強く頭蓋を挟みつける。

沼田まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録　amazon関連カテ胸騒ぎ・嫌な予感好奇心・興味を示す動悸・胸がドキドキ・心拍数が上がる

戦雲が地平線に重くたれ込めようとも

新渡戸稲造訳：岬龍一郎「いま、拠って立つべき“日本の精神” 武士道 (PHP文庫)」に収録　amazon関連カテ胸騒ぎ・嫌な予感前兆