四〇ミリ機銃と二〇ミリ機銃のシャワーのような洗礼

艦砲射撃と爆撃で鉄の雨を降らせる

敵は砂でも投げつけるように機銃を撃ちまくった

銃弾が雨あられと飛んでくる

また一つ爆発音が轟いて、また一つ轟いた

彼らは一列に並んだまま、裾から二人の方へ締め上げる袋の紐（ひも）のように進んで来た。

すべては復讐するために。自らの手を血で汚し、人の心を捨てて獣のように。

戦（いくさ）というものは錦絵のようなものと存じておりましたのに、このありさまでは、地獄絵を地でゆくようなもの

（空襲）火の海のようになった。

土俵際に追い詰められる

矢が雨のように飛んで来て

エメラルドグリーンのサンゴ礁にかこまれた緑の島。

私にとって戦前は、軍靴の音が響いてくるイメージしかありませんでした

父と母が離婚したのだ。父に好きな女性ができたのが原因だった。

（離婚）僕らはうまくやっていた。でも彼女が求めているもの、彼女が頭に描いているもの、と僕の存在の間には決定的な差があった。妻はコミュニケーションの自立性のようなものを求めていた。コミュニケーションが染みひとつない白旗を掲げて人々を輝かしい無血革命へと先導していくようなシーンを。完全性が不完全性を呑み込んで治癒してしまうような状況を。そういうのが彼女にとっての愛だった。僕にとっての愛とは不器用な肉体を与えられた純粋な概念で、それは地下ケーブルやら電線やらをぐしゃぐしゃと通ってやっとの思いでどこかに結びついているものだった。すごく不完全なものだった。ときどき混線もする。番号もわからなくなる。間違い電話がかかってくることもある。《…略…》僕は彼女に説明した。何度も何度も。 でも彼女はある日出ていった。