美しい斜線が遠い裾まで伸びている山の端

霧が山をしずしずと降りてくる

窓の外は雨と、もみじで、霧が山を織っている

突然水ぎわに走りよった奔馬が、そろえた前脚（まえあし）を踏み立てて、思わず平頸（ひらくび）を高くそびやかしたように、山は急にそそり立って、沸騰せんばかりに天を摩している。

（植林した山）ひとつの山でも、日当たりや土の状態を見て、杉とヒノキの両方を植林することがある。土が瘦せていて日当たりが多少悪いほうが、杉にとってはいい。だからたいてい、八合目より下に植える。反対にヒノキは、山のうえのほうに植える。水はけと日当たりがいい場所を好み、杉よりは寒さや雪に強いからだ。

絵みたいに美しい風景

逆巻く濤（なみ）のように、梢（こずえ）や枝葉を空に振り乱して荒れ狂っている原始林

衝立岩は、澄みきった空に向かって切っ先を伸ばしている。

建物や地面がびゅんびゅんと後方に投げ捨てられていく。

京都は、東西に走る通りと南北に走る通りが垂直に交差する、碁盤の目のような都市です。私は、そんな理路整然とした街並みの中で《…略…》周期表が目に入った瞬間、忘れていた故郷の京都の街並みがフラッシュバックしてきたのです。その理由は、周期表で示された秩序が、京都の世界観と見事に共通しているように感じられたからです。