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葉子は、男というものなしには一刻も過ごされないものとなっていた。砒石ひせきの用法をあやまった患者が、その毒の恐ろしさを知りぬきながら、その力を借りなければ生きて行けないように、葉子は生の喜びの源を、まかり違えば、生そのものを虫ばむべき男というものに、求めずにはいられないディレンマに陥ってしまったのだ。
有島武郎 / 或る女(前編) ページ位置:67% 作品を確認(青空文庫)
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......望して木部と別れてしまったのだ。  葉子のなめたすべての経験は、男に束縛を受ける危険を思わせるものばかりだった。しかしなんという自然のいたずらだろう。それとともに葉子は、男というものなしには一刻も過ごされないものとなっていた。砒石ひせきの用法をあやまった患者が、その毒の恐ろしさを知りぬきながら、その力を借りなければ生きて行けないように、葉子は生の喜びの源を、まかり違えば、生そのものを虫ばむべき男というものに、求めずにはいられないディレンマに陥ってしまったのだ。  肉欲のきばを鳴らして集まって来る男たちに対して、(そういう男たちが集まって来るのはほんとうは葉子自身がふりまくにおいのためだとは気づいていて)葉子は冷笑しながら......
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