不思議な恐怖に似た感情がだんだん胸へ昂 まって来る。その感情は喉 を詰らせるようになって来、身体からは平衝の感じがだんだん失われて来、もしそんな状態が長く続けば、そのある極点から、自分の身体は奈落のようなもののなかへ落ちてゆくのではないかと思われる。
梶井基次郎 / 蒼穹 ページ位置:57% 作品を確認(青空文庫)
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怖い・恐怖
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前後の文章を含んだ引用
......知れぬ深い感情を喚 び起こすものはない。その変化を見極めようとする眼はいつもその尽きない生成と消滅のなかへ溺 れ込んでしまい、ただそればかりを繰り返しているうちに、不思議な恐怖に似た感情がだんだん胸へ昂 まって来る。その感情は喉 を詰らせるようになって来、身体からは平衝の感じがだんだん失われて来、もしそんな状態が長く続けば、そのある極点から、自分の身体は奈落のようなもののなかへ落ちてゆくのではないかと思われる。それも花火に仕掛けられた紙人形のように、身体のあらゆる部分から力を失って。―― 私の眼はだんだん雲との距離を絶して、そう言った感情のなかへ巻き込まれていった。そ......
単語の意味
身体(しんたい)
胸(むね)
身体・・・人のからだ。肉体。
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胸が 潰れるほど長い時間だった。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
(助かるばい。助かるばい) 勝呂の胸の鼓動も心の呟きも速度をました。
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 amazon
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自分に対して信用の殻を固く閉じていた
太宰治 / 人間失格
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