（歓楽街のゲイボーイたちは）相手の心の開け具合を計算して、きっちり開いた分だけしか応じ返していかない 哀しい人間の習性を、彼等はとりわけ 狡猾 に身につけていたが、反面そうした弱さを、歓楽街に生きる本物の女たちよりも一段上手に隠し通す 手練 に長じている

順調に女優の道を歩む

輝かしい人生の扉が開かれる

人生の網の上を巧妙に歩く

橇（そり）で雪の坂道を下るような、スイスイした楽な暮し方

人生の網の上を巧妙に歩く

幻覚の中を歩いているように日が過ぎる

いま二十六歳で二十代とも三十代ともちがう変な場所に迷い込んでいます。生命力のかたまりは、すみっこのほこりっぽい角にぶつかり、急に止まってどちらへ動いたらいいものか、と迷ったままその場に待機し続けているのです。

自棄酒を飲んで、すっかり自分の生活を失った

幸い、命は助かった。これを大切にしなければならぬ。意欲的な仕事をしろと神が命を与えてくれたと思った。きまった神なんかは信じないけれど、どこかに神のようなものが漠然と存在して運命を配しているように思えた。勝手な解釈をすれば、これも神の摂理だった。