自分のように一生という永い時間をかけて、世間という広い広い部屋で、筆を小刀 に心身を切りこま裂いて見せ、それで真実が届くやら、届かぬやら判りもしない、得体の知れない焦立たしいなやみの種を持つものは、割の悪い運命に生れついたものである。
岡本かの子 / 河明り ページ位置:38% 作品を確認(青空文庫)
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......なくなった底から息を吸い上げて来ようとする、時折の娘の命の休息所なのではあるまいか。 だが、ときどきにもせよ、そういう一室に閉じ籠れるのは羨 しい。寧 ろ嫉 ましい。自分のように一生という永い時間をかけて、世間という広い広い部屋で、筆を小刀 に心身を切りこま裂いて見せ、それで真実が届くやら、届かぬやら判りもしない、得体の知れない焦立たしいなやみの種を持つものは、割の悪い運命に生れついたものである。 「で、今朝お嬢さんは?」 と私が云うと、やまは俄 に思いついたように、 「ああそうでしたっけ、お嬢さんが今日あなたがいらしったら、お二階へおいで願うように申し上げて......
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物語を書き継ぐ忍従の生活
岡本かの子 / 河明り
旅慣れている彼も目を輝かせていた。この人は常にこうやって感激しているのだろう。と私は思った。それをパンを発酵させるように寝かせて、ふくらませてやがて別の出口から文章にする。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
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(刑事が)容疑者をいたぶる際に見せる、爬虫類的な嫌らしい感じ
東川 篤哉 / 謎解きはディナーのあとで 2 amazon
(ある書生)彼は独自の世界観や人生観をもち、心は空中の 楼閣 に住み、幽玄な知識の言葉を食べて生きている。
新渡戸稲造 訳:岬龍一郎「いま、拠って立つべき“日本の精神” 武士道 (PHP文庫)」に収録 amazon
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