海のように広い川 | 川の表現・描写・類語｜小説の言葉集

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海のように広い川

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川面を淡い霧が切れ切れに渡っていく

油のような川の面

久米正雄 / 競漕　amazon

河には無限の乳房のような水源があり、末にはまた無限に包容する大海がある。この首尾を持ちつつ、その中間に於ての河なのである。そこには無限性を蔵さなくてはならない

岡本かの子 / 河明り

雨の中、生き物のように鳴きながらうねる夜の河

（川は）小さな渦をいくつも作っていた。渦は流水の気紛きまぐれに従って形を変え、消えては現われ、渦巻きながら流れて行き、また引き戻されるように、溯行そこうして来た。

昇平, 大岡「野火(のび) (新潮文庫)」に収録　amazon関連カテ川渦

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ざあざあと力強く川音が響き、なにもかもを白く泡立てて押し流してゆく。

吉本ばなな / ムーンライト・シャドウ「キッチン (角川文庫)」に収録　amazon関連カテ川の音(せせらぎ)川

瀬の石と石との間に出来た小さい流れ

梶井基次郎 / 交尾

せせらぎが月光を浴びてぼっと輝いているだけだった。

宮本輝 / 螢川「螢川・泥の河（新潮文庫）」に収録　amazon関連カテ月の光・月明かり水面にうつる光

遠浅の、どこまでも澄みわたった美しい珊瑚礁の海

小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録　amazon関連カテ海海岸・砂浜・波打ち際

寒気のために比重の高くなった海の水は、凍りかかった油のような重さで、物すごいインド藍（あい）の底のほうに、雲間を漏れる日光で鈍く光る配縄の餌（え）をのみ込んで行く。

有島武郎 / 生まれいずる悩み

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