煙筒からは煙草の煙よりも細い煙が風のない空に、毛糸のように上っていた。
小林多喜二 / 蟹工船 ページ位置:68% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
煙突
けむり
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......カアーッとくる匂いだった。 駆逐艦は翼をおさめた灰色の水鳥のように、見えない程に身体をゆすって、浮かんでいた。それは身体全体が「眠り」を貪 っているように見えた。煙筒からは煙草の煙よりも細い煙が風のない空に、毛糸のように上っていた。 監督や雑夫長などは昼になっても起きて来なかった。 「勝手な畜生だ!」仕事をしながら、ブツブツ云った。 コック部屋の隅 には、粗末に食い散らされた空の蟹罐詰や......
ここに意味を表示
煙突の表現・描写・類語(外の設備・工作物のカテゴリ)の一覧 ランダム5
石碑を大きくして立てたような四角な煙突
木山 捷平 / 大陸の細道 amazon
帆柱のように林立する煙突
久保田 万太郎 / 春泥 amazon
このカテゴリを全部見る
けむりの表現・描写・類語(火・煙・灰のカテゴリ)の一覧 ランダム5
むくむくした煙が、小さな芽キャベツのように連なり合う
福永 武彦 / 草の花 amazon
羊の毛のように白く靡(なび)く浅間の烟(けむり)
田山 花袋 / 田舎教師 amazon
このカテゴリを全部見る
「火・煙・灰」カテゴリからランダム5
(夜、)杉林のなかに炭焼小屋があって、白い煙が切り立った山の闇を匍 い登っていた。
梶井基次郎 / 闇の絵巻
「外の設備・工作物」カテゴリからランダム5
住宅街の細い路地に立つ街灯は、携帯電話を片手に、約束に遅れた友人をぽつんと待っているような俯き加減だった。
平野啓一郎「ある男」に収録 amazon
煙突の傍を通ると、今にも頭の上に倒れかかって来るような気がして、思わず急ぎ足になる
夢野久作 / ドグラ・マグラ
(バリケードは)不機嫌に世界を拒絶する壁のように見える。
中村文則 / 教団X amazon
同じカテゴリの表現一覧
火・煙・灰 の表現の一覧
外の設備・工作物 の表現の一覧
風景表現 大カテゴリ