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朽ちかけた小さな祠のそばに、注連縄の巻かれた杉が二本そびえている。そのあいだからのびるのは、獣道かと見まごう小道だ。細い道は、山の奥へ奥へとつづいているようだった。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 ページ位置:28% 作品を確認(amazon)
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......。カンコンキン。けたたましい音を満載して、軽トラックは進む。 十五分ほど車で走り、そこから林道を二十分は歩いただろうか。とうとう、神去山の入口にたどりついた。 朽ちかけた小さな祠のそばに、注連縄の巻かれた杉が二本そびえている。そのあいだからのびるのは、獣道かと見まごう小道だ。細い道は、山の奥へ奥へとつづいているようだった。 こんなところまで、山太一人では来られない。そう思ったけれど、言いだせなかった。清一さんたちが、最後の望みをここに託しているのがわかったからだ。 神隠しなんか、......
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