小路は、月に照らされて、さながら霜を置いたようにうす白 い。
芥川龍之介 / 偸盗 ページ位置:80% 作品を確認(青空文庫)
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月の光・月明かり
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前後の文章を含んだ引用
......の手に手綱 をとって、あらしのように通りすぎた。馬は言うまでもなく、沙金 が目をつけた、陸奥出 の三才駒 であろう。すでに、盗人たちがちりぢりに、死人 を残して引き揚げた小路は、月に照らされて、さながら霜を置いたようにうす白 い。彼は、乱れた髪を微風に吹かせながら、馬上に頭 をめぐらして、後 にののしり騒ぐ人々の群れを、誇らかにながめやった。 それも無理はない。彼は、味方の破れるのを見ると、......
単語の意味
霜を置く(しもをおく)
霜を置く・・・霜を頭の上にのせる。霜をいただく。霜をのせたように、白髪になる。「いただく」は、「頭にのせる」こと。
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月の夜の明るさが万象に影を失わせ、その隈どりが浮き上がって見えるように思える
島尾 敏雄 / 出孤島記 amazon
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