抜け上った生 え際 から前髪が堤防工事のように高く聳 えて、少なくとも顔の長さの二分の一だけ天に向ってせり出している。
夏目漱石 / 吾輩は猫である ページ位置:20% 作品を確認(青空文庫)
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髪型
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前後の文章を含んだ引用
......沈黙する。 主人のうちへ女客は稀有 だなと見ていると、かの鋭どい声の所有主は縮緬 の二枚重ねを畳へ擦 り付けながら這入 って来る。年は四十の上を少し超 したくらいだろう。抜け上った生 え際 から前髪が堤防工事のように高く聳 えて、少なくとも顔の長さの二分の一だけ天に向ってせり出している。眼が切り通しの坂くらいな勾配 で、直線に釣るし上げられて左右に対立する。直線とは鯨 より細いという形容である。鼻だけは無暗に大きい。人の鼻を盗んで来て顔の真中へ据 え......
単語の意味
前髪(まえがみ)
前髪・・・1.額の上部の頭髪。額の前の方に短く垂らした髪。
2.昔、女子または元服前の男子の、額の前に別に束ねた髪。向こう髪(むこうがみ)。
2.昔、女子または元服前の男子の、額の前に別に束ねた髪。向こう髪(むこうがみ)。
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黒い、大きな花弁 の形に結 い上げられた夥しい髪毛 が、雲のように濛々 と重なり合っている
夢野久作 / ドグラ・マグラ
髪にはさか毛をたてて、まるでまんじゅうのような耳かくしにゆう。耳がかゆくて気持ちが悪い。
林芙美子 / 新版 放浪記
オールバックに撫でつけて、耳より後ろでは、少し広がって肩に触れる程度にかかっている。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
抜け上った生え際から前髪が堤防工事の様に高く聳(そび)えて
夏目漱石 / 吾輩は猫である amazon
理髪店から先刻抜け出しばかりのような綺麗に分けた頭髪
武田 泰淳 / 風媒花 amazon
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一度虫が入ったらもう二度と出てこられないようなわっしゃわしゃのパーマ
朝井 リョウ / 燃えるスカートのあの子「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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