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(崖で足をすべらす)危ぶみながら下りてゆく。一と足下りかけた瞬間から、既に、自分はきっと滑って転 ぶにちがいないと思った。――途端自分は足を滑らした。片手を泥についてしまった。しかしまだ本気にはなっていなかった。起きあがろうとすると、力を入れた足がまたずるずる滑って行った。今度は片肱 をつき、尻餅をつき、背中まで地面につけて、やっとその姿勢で身体は止った。
梶井基次郎 / 路上 ページ位置:58% 作品を確認(青空文庫)
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ころぶ・転倒する
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前後の文章を含んだ引用
......しへ出た。それからが傾斜である。自分は少し危いぞと思った。 傾斜についている路はもう一層軟かであった。しかし自分は引返そうとも、立留って考えようともしなかった。危ぶみながら下りてゆく。一と足下りかけた瞬間から、既に、自分はきっと滑って転 ぶにちがいないと思った。――途端自分は足を滑らした。片手を泥についてしまった。しかしまだ本気にはなっていなかった。起きあがろうとすると、力を入れた足がまたずるずる滑って行った。今度は片肱 をつき、尻餅をつき、背中まで地面につけて、やっとその姿勢で身体は止った。止った所はもう一つの傾斜へ続く、ちょっと階段の踊り場のようになった所であった。自分は鞄 を持った片手を、鞄 のまま泥について恐る恐る立ち上った。――いつの間にか本気......
単語の意味
身体(しんたい)
背中(せなか)
身体・・・人のからだ。肉体。
背中・・・背の中央。背骨のあたり。動物の胴体の背骨のある側。胸や腹と反対の面で、両肩の間から腰のあたりまでの部分。背(せ)。背面。
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雪だるまのようになって転げこんできた。
阿部 知二 / 冬の宿 amazon
体を逸らすが景色が転がった。眩しいライトが視界を上から下にぐるっと回ったと思った時には、尻に衝撃があった。
伊坂 幸太郎 / アイネクライネナハトムジーク amazon
土俵につんのめった相撲取りのように他愛ない姿
獅子 文六 / てんやわんや amazon
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上から粉雪のように粉砂糖をふる。
石井 好子「東京の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon
乾いた砂のように崩れた。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
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