本来は「年迎え」の膳として、大晦日に食べるものであったが、現在ではほとんどの地方で元日以降に食べるのが普通である。

おせちは、伝統とか、儀式とか、由来とか、そういうものの上にアグラをかいていい気になっているような気がする。 　四段重ねで十二万円のおせち料理さえあるという。 　おせちは、明らかに時代とズレてきているようだ。

見た目から、正月くらいは豪華に過ごしてほしいという思いが感じられる

穴が開いていて、先の見通しがよいといわれるレンコン。細く長く、土に根を張って生きるゴボウ。こんぶは「よろこんぶ」・・・。今年も母のお節ウンチクが始まる。

栗きんとんは、正月の懐かしい味

和え物は、和と書くとおり、味噌と野菜を合わせる楽しみである

おせちの定番ともいえる、おせちらしい味がする

おなべをするとき、最後はおじやや、うどんの煮こみを作る。そして出来上りぎわにほぐした玉子をかけてとじる。この玉子とじのおじやがたべたいためにおなべをするのだ

一般的にフライ物というのは、コロッケ、メンチカツ、ハムカツ、串カツ、アジフライ、カキフライ、イカフライあたりをいい、トンカツとなると、別格という感じになる。 　フライ物には違いないが、もはやそういっては失礼、というような風格さえある。

椀のふたを取るとカツオの風味と松葉に切ったゆずの強い香りがふわっと鼻先に広がった