小池くんは、存在感の質自体が変わっていて、大学生のころから着けていた、酔っぱらうとほかの部員に隙あらば取られそうになっていたデイトナが、いまも彼の腕に巻かれていたが、あんなに浮いていたのに今は目につかないくらい彼に馴染んでいた。
綿矢 りさ / 亜美ちゃんは美人「かわいそうだね? (文春文庫)」に収録 ページ位置:68% 作品を確認(amazon)
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垢ぬけた人
時計・秒針
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前後の文章を含んだ引用
......は分かります」 いかにも小型のノートパソコンが入っていそうな角ばった薄い通勤鞄をカウンター下の棚に入れて、ごそっと身を動かしてさかきちゃんの隣のスツールに座った小池くんは、存在感の質自体が変わっていて、大学生のころから着けていた、酔っぱらうとほかの部員に隙あらば取られそうになっていたデイトナが、いまも彼の腕に巻かれていたが、あんなに浮いていたのに今は目につかないくらい彼に馴染んでいた。スーツや眼鏡とは違い、時計は早くから使い始めなければ馴染まないことを計算に入れて、小池くんは稼ぎのなかった大学生のころから、時計だけは本物を手に入れていた。「ぼ......
単語の意味
馴染む(なじむ)
自体(じたい)
馴染む・・・慣れる。慣れて違和感がなくなる。いい感じに調和する。すっかり親しみを感じるようになる。
自体・・・1.自分のからだ。
2.そのものの本来の性質。それ自身。そのもの。地体(じたい)。多くの場合、名詞の下につく。
2.そのものの本来の性質。それ自身。そのもの。地体(じたい)。多くの場合、名詞の下につく。
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垢ぬけた人の表現・描写・類語(人の印象のカテゴリ)の一覧 ランダム5
しばらく見ないうちに青くささがすっかり消えて、なかなかの貫禄を身につけている。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
どこか都慣れたところがあった。
岡本かの子 / 巴里祭
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時計・秒針の表現・描写・類語(道具・家具のカテゴリ)の一覧 ランダム5
壊れた時計に指を触れる。架空の時間を指し示したまま動かない針。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
(柱時計の音)眠たげな、老爺が膝をうつような音。
林 真理子 / エンジェルのペン「最終便に間に合えば (文春文庫)」に収録 amazon
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「道具・家具」カテゴリからランダム5
暗いロビイには大衆食堂のような安っぽい卓子と椅子が並んでいる
大岡 昇平 / 武蔵野夫人 amazon
(吸い殻で)灰皿の上を荒涼とした枯れ山のようにこんもりとさせる
谷村 志穂 / ハウス amazon
砥石(といし)で鎌をとぐ時のような低姿勢で、乳母車をすうッとゆるやかに発車させた。
木山 捷平 / 大陸の細道 amazon
「人の印象」カテゴリからランダム5
中を覗 くとがんがらがんのがあんと物静かである。
夏目漱石 / 吾輩は猫である
(侵入者の気配に気づく)二人が音も立てずに靴を脱いだ時、急に濃度の上がった空気に息苦しさを感じて目を覚ましたのだ。彼は、甘く重苦しい空気が垂れ幕のように胸に覆い被さるのに我慢できずに、水を飲もうと起き上がった。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
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