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くらりと揺れて貧血かと案じ、家の本棚にしがみついたら、本棚も、壁にかけたカレンダーも揺れていて、ようやく地震だと気づくのだった。 信じられない、地面がこんなにもたやすく揺らぐなんて。私のアパートは、プリンのうえに建っているのか。床がやわらかくなり、ゆっくり溶けてくずれていく感覚。
綿矢 りさ / かわいそうだね?「かわいそうだね? (文春文庫)」に収録 ページ位置:0% 作品を確認(amazon)
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目まい
地震・地面が揺れる
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前後の文章を含んだ引用
かわいそうだね? くらりと揺れて貧血かと案じ、家の本棚にしがみついたら、本棚も、壁にかけたカレンダーも揺れていて、ようやく地震だと気づくのだった。 信じられない、地面がこんなにもたやすく揺らぐなんて。私のアパートは、プリンのうえに建っているのか。床がやわらかくなり、ゆっくり溶けてくずれていく感覚。めまいがして床にうずくまり、耳鳴りのなか、暗い色彩の万華鏡の模様が視界を覆う。地震はおそろしい。こんなに簡単に揺らぐ東京もおそろしい。また揺れた、これで月に何度目? なぜか朝方が多い。 おおかたの都民はちょっと地面が揺れたとしても、ああまたかと少し動きを止めるだけで、揺れがなくなればまたすぐに日常生活......
単語の意味
案じる(あんじる)
案じる・・・心配する。思い悩む。いろいろと考える。案ずる。
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正面の席が揺れ出すのを感じた。またか。舌打ちが出る。座席だけではない、情景すべてがぐらぐらと震え、輪郭が崩れた。周囲が振動しているのではなくて、自分が眩暈を感じているのだ。
伊坂 幸太郎 / グラスホッパー amazon
上ばかり見ていたので、急に目線を下げて立ちくらみがした。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
急に身が落ち込んで行くような眩暈(めまい)
井上 靖 / 猟銃「猟銃・闘牛 (新潮文庫)」に収録 amazon
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地震・地面が揺れるの表現・描写・類語(天災・荒れた天気のカテゴリ)の一覧 ランダム5
車体の揺れが、細切れに、木村の体を突き上げてくる。
伊坂 幸太郎 / マリアビートル amazon
かすかな揺れであっても、じつは大地震が来るまえの予震で、いまこの瞬間にも地響きが聞こえて大揺れが起こり、部屋の隅までふっとばされるんじゃないかと身がまえる。
綿矢 りさ / かわいそうだね?「かわいそうだね? (文春文庫)」に収録 amazon
周期の長い、横揺れの地震だ。ゆっくりとボートを一漕ぎ、二漕ぎするような横揺れは、井の頭公園で隆大とボートに乗ったときを思い出させた。
綿矢 りさ / かわいそうだね?「かわいそうだね? (文春文庫)」に収録 amazon
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僕はずいぶん長いあいだそこにじっとしていたのだと思う。どれくらいの時間その金網にもたれかかっていたのか、僕にはわからない。僕はひどく眠くて頭がぼんやりとしていたし、殆んど何も考えずに鳥の石像の影のあたりをじっと眺めていたからだ。 あるいは僕は何かを考えていたのかもしれない。しかしもしそうだとしても、その作業は僕の意識の領域から外れた場所で行われていた。現象的には僕は草の葉の上に落ちた鳥の影をじっと見つめていただけだった。
村上春樹 / ねじまき鳥と火曜日の女たち「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
焼酎の陰鬱な酔いのために刻一刻、気持が険しくなって来る
太宰治 / 人間失格
やれやれ、と僕は思った。酒を飲んで吐くなんていったい何年ぶりだろう? 俺はいったい最近何をやっているんだろう? 同じことをくりかえしているのに、くりかえすたびに悪くなっていくみたいじゃないか。
村上春樹 / ファミリー・アフェア「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
「天災・荒れた天気」カテゴリからランダム5
波の大きなうねりがもり上って、ローリングした。
小林多喜二 / 蟹工船
大自然の鉄槌を受ける
池波 正太郎「食卓の情景 (新潮文庫)」に収録 amazon
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