「何も、決定的な事じゃあるまいし……」と小初は云ったが語尾は他人のように声が遠のいて行った。
岡本かの子 / 渾沌未分 ページ位置:75% 作品を確認(青空文庫)
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小声(細い・弱い・静か)
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前後の文章を含んだ引用
......ったことを貝原は友達である薫の父親にゆうべ打ち明けに行ったことを薫はとうとう小初にはなした。 薫の弱い消極的な諦 めが、むしろ悲壮 に炎天下 で薫の顔を蒼 く白ました。 「何も、決定的な事じゃあるまいし……」と小初は云ったが語尾は他人のように声が遠のいて行った。小初は今日まで、貝原との約束をどう薫に打ち明けようか、思いなやんでいたのである。それに自分だとてまだ貝原との約束を全然決定し切れない心に苦しめられていたのである......
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一度聞いたら心にそのまましみ込んで、きっと一生忘れることができないような、悲痛な叫び声
小林 多喜二 / 蟹工船 一九二八・三・一五 amazon
とにかく誰かをつかまえて一日中喋り続けていた。それはもう、少しでも黙っていると息が止まってしまうのではないかという不安に突き上げられたような、切羽詰まった喋り方で、相手をする人間の神経を鉛のように疲れさせた。
小川洋子 / 完璧な病室「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
声の調子をテストしているみたいに、ゆっくりとした口調で言った。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
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