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思い出が頭のなかを走り、語りつくせないほどかけめぐる。
綿矢 りさ / 亜美ちゃんは美人「かわいそうだね? (文春文庫)」に収録 ページ位置:97% 作品を確認(amazon)
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フラッシュバック・走馬灯のように蘇る記憶
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前後の文章を含んだ引用
......が、いま思えば私はすでにそのころから彼女の魅力にはまっていた気がします」 咳払いして、涙まじりの声を隠そうとするも、咳払いさえ少し湿り気を帯びて、きまりが悪い。思い出が頭のなかを走り、語りつくせないほどかけめぐる。高校の北校舎の雨の匂いのする廊下で、立ったまま二人でひそひそ喋った放課後。三年間共につけ続けたリネンのブレスは、卒業式の日に校舎の裏庭に埋めた。「このまえ、深夜......
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フラッシュバック・走馬灯のように蘇る記憶の表現・描写・類語(記憶のカテゴリ)の一覧 ランダム5
ある光景が蘇ったのはそのときだった。あまりにも一瞬のことで、今、蘇ったどこかの光景が、いったいいつの、どこで見た光景なのか、分からないほどだった。光代は思わず目を閉じて、一瞬蘇った光景を再現した。必死に目を閉じていると、またぼんやりと、その光景が浮かび上がってくる。 どこ? ここ、どこ? 光代は目を閉じたまま、心の中で呟いた。ただ、浮かび上がってきた光景は一枚の写真のように、いくら別の場所を見ようとしても、それ以上に広がらない。 目の前に若い女の子が二人立っている。こちらに背を向けて、楽しそうに笑い合っている。その向こうには年配の女性の背中が見える。女性は壁に向かって何か話している。いや、違う。壁じゃなくて、どこかの窓口。透明のボードの向こうで切符を売る男性の顔がある。 どこ? どこ? 光代はまた心の中で呟いた。必死に目を閉じると、窓口の上に貼られた路線図が見える。 「あ!」 光代は思わず声を上げそうになった。見えたのは、バスの路線図だった。自分が立っている場所は、佐賀と博多を結ぶ長距離バスの切符売り場だったのだ。 それが分かった瞬間、静止していた光景がとつぜん音と共に動き出す。
吉田修一「悪人」に収録 amazon
言っているうちに、まるで小さい時の思い出みたいに、古い映像みたいにあのひとの面影が、匂いたつようによみがえってきた。まるで恋をしているみたいに、あのときの印象が、目の前に映し出されて切なくなった。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
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十和子の脳裡には、陣治が 囁き続けてきた甘い言葉の数々が渦巻いていた。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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