(草原に戯れる羊の群れの写真)何頭かはこちらを向き、何頭かはどこかべつの方角を向き、何頭かは無心に草を食べていた。雰囲気がもりあがらない同窓会のスナップ写真みたいな感じだった。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 ページ位置:34% 作品を確認(amazon)
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前後の文章を含んだ引用
...... 男はポケットから拡大鏡を出して、テーブルの上に載せた。「それで写真を心ゆくまで調べてくれ」 僕は左手に写真を持ち、右手に拡大鏡を持ってゆっくりと写真を眺めた。何頭かはこちらを向き、何頭かはどこかべつの方角を向き、何頭かは無心に草を食べていた。雰囲気がもりあがらない同窓会のスナップ写真みたいな感じだった。僕は一頭ずつ羊を点検し、草の繁り具合を眺め、背後の白樺林を眺め、その後の山なみを眺め、ぽっかりと空に浮かんだ雲を眺めた。異常なところは何ひとつなかった。僕は写真......
単語の意味
無心(むしん)
草原(そうげん・くさはら)
羊(ひつじ)
無心・・・1.無邪気なさま。雑念や欲望にまったくとらわれてないさま。
2.正当な理由も無く、人に金品をねだること。
2.正当な理由も無く、人に金品をねだること。
草原・・・一面に草が生えている広い野原。
羊・・・ウシ科の哺乳動物。ヤギに似た、中型の大人しい家畜。らせん形の角がある。毛は灰白色で、柔らかくて巻き縮む。性質は臆病で、集団をつくって生活する。毛は毛織物の原料で、肉は食用。
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(写真アルバム)昔風の赤い布張りの分厚いアルバム
翔田 寛「真犯人 (小学館文庫)」に収録 amazon
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(記念写真)92500という彼のベスト・スコアを記念すべく、鼠(人名)とピンボール台の記念写真を撮らされたことがある。鼠はピンボール台のわきにもたれかかってにっこりと笑い、ピンボール台も92500という数字をはじき出したままにっこりと笑っていた。《…略…》鼠はまるで第二次大戦の撃墜王のように見えた。そしてピンボール台は古い戦闘機のように見えた。整備士がプロペラを手でまわし、飛び上がった後でパイロットが風防をパタンと閉めるような戦闘機だ。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
煙突のようにつぎつぎに煙草を吹かし
火野 葦平 / 糞尿譚 amazon
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