立ちのぼる一筋の煙を見つめていた。それは途中まで真っ直ぐ天を目指し、上空の風の道に沿って棚引いていた。
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 ページ位置:73% 作品を確認(amazon)
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けむり
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前後の文章を含んだ引用
......の沢筋が遥か遠方の風景になっていた。胸のすく思いだ。たかだか1ピッチ登っただけだというのに、ここはもはや下界ではない。 燐太郎の目線に気づいた。どこかの山裾から立ちのぼる一筋の煙を見つめていた。それは途中まで真っ直ぐ天を目指し、上空の風の道に沿って棚引いていた。 安西の葬式を思い出したのだろう。燐太郎の瞳には微かな愁いがあった。悠木にとっても、あれは生涯忘れることのできない葬式だった。斎場はむさ苦しい風体の山屋たちで溢......
単語の意味
上空(じょうくう)
沿う・添う・副う(そう)
上空・・・空の上の方。また、ある地点の上に広がる空。
沿う・添う・副う・・・1.(「沿う」と書いて)長い線状のものの近くを離れずに平行に進む。つたっていく。
2.(「沿う」「添う」「副う」と書いて)期待されるところから外れない状態を保つ。ある基準から離れないようにする。
2.(「沿う」「添う」「副う」と書いて)期待されるところから外れない状態を保つ。ある基準から離れないようにする。
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むくむくと透視のきかない煙幕が盛り上がる
島尾 敏雄 / 出孤島記 amazon
漫画の吹き出しのように天井に浮かんだ白い煙
村上 春樹 / 1973年のピンボール amazon
煙が松の木の間を、靄のようになびいて昇る
佐多 稲子 / 素足の娘 amazon
飛び立つ鳥が羽ばたくように、河面の雪が消えるように、煙がざわめく
武田 泰淳 / 風媒花 amazon
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煙は勢いよくなったかと思うと少し収まりというのをくりかえしていた。人々は大声で何かを叫んだり命令したりしていた。ぱたぱたと大きな音をたてて新聞社のヘリコプターがやってきて写真を撮って帰っていった。
村上春樹 / ノルウェイの森 amazon
繩が火の粉を散らしながら二つに分れ落ちる
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
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