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月の出に色も潤 みだしたらしい不忍
岡本かの子 / 雛妓 ページ位置:21% 作品を確認(青空文庫)
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池・湖・沼・水たまり
月の光・月明かり
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前後の文章を含んだ引用
......ういった旬 の青味のお漬物でご飯を勧められても、わたくしは、ほんの一口しか食べられなかった。 電気ストーヴをつけて部屋を暖かくしながら、障子をもう一枚開け拡 げて、月の出に色も潤 みだしたらしい不忍 の夜の春色でわたくしの傷心を引立たせようとした逸作も遂 に匙 を投げたかのように言った。 「それじゃ葬式の日まで、君の身体が持つか持たんか判らないぜ」 逸作はしばらく......
単語の意味
月の出(つきので)
潤み(うるみ)
不忍(しのばず)
月の出・・・月が東の地平線から昇ること。また、その時刻。⇔月の入り。
潤み・・・1.水気を帯びて、曇ったような状態。濁(にご)り。滲(にじ)み。
2.潤み色(うるみいろ)のこと。潤んだ(=濁ってはっきりしない)色。青黒い色。また、黒と赤との間の色。
2.潤み色(うるみいろ)のこと。潤んだ(=濁ってはっきりしない)色。青黒い色。また、黒と赤との間の色。
不忍・・・上野公園にある不忍池(しのばずのいけ)。
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水は月光を映して、 燻銀 に光り、
昇平, 大岡「野火(のび) (新潮文庫)」に収録 amazon
緩やかに月の光の帯は色を変え、角度を変え、夜は深まってゆく。
小川 洋子 / 口笛の上手な白雪姫「口笛の上手な白雪姫」に収録 amazon
窓からもれる銀色の月光が、室内を水底のように浮き上がらせる
光瀬 龍 / 百億の昼と千億の夜 amazon
月の光が鉱物質の硬さで樹木や敷石へ降りそそぐ
大江 健三郎 / 芽むしり仔撃ち amazon
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今にも雪が降りそうだったが、まだ降り始めてはいなかった。雲はぴくりとも動かず、「ガリバー旅行記」に出てくる空に浮かぶ国みたいに、都市の頭上を重たく覆っていた。地上にある何もかもが灰色に染まって見えた。フォークもサラダもビールもみんな灰色に見えた。こういう日にはまともな事なんて何も思いつけない。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
月の光に心を奪われていると、不可能なことなどないように思えてくる
羽田 圭介 / スクラップ・アンド・ビルド amazon
澄み切った月が、暗く濁った燭(しょく)の火に打ち勝って、座敷がいちめんに青みがかった光を浴びる
森 鴎外 / 佐橋甚五郎 amazon
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海が繻子のように綺麗
林 芙美子 / 女性神髄「女性神髄 (1949年) (養徳叢書〈日本篇 第45〉)」に収録 amazon
砂浜は白々とひろがって、見通しがよくきいた
三島由紀夫 / 真夏の死 amazon
寄せてくる潮のため、砂の小穴が潰される音
その細き道
ここから海は、ふかい入江になって、島の砂浜を洗っている
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
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