一枚も残らず葉を振い落した五六本の桐の木が、星の光りを仰ぎつつ妙な枝ぶりを躍らしている。
夢野久作 / ドグラ・マグラ ページ位置:99% 作品を確認(青空文庫)
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枝
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前後の文章を含んだ引用
......の解放治療場は闃寂 として人影もなく、今朝 までは一面の白砂ばかりの平地に見えていたのが、今は処々に高く低く、枯れ草を生やした空地となって、そのまん中に、いつの間にか一枚も残らず葉を振い落した五六本の桐の木が、星の光りを仰ぎつつ妙な枝ぶりを躍らしている。 「……不思議だ……」 と独語 を洩らしつつ頭に手を遣 って見ると……又も不思議……今朝から私が感じていた奇怪な頭の痛みは、どこを探しても撫でまわしてもない。拭い......
単語の意味
妙(みょう)
妙・・・とてもいい。非常に優れている。または、不思議、奇妙なこと(さま)。
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枝の表現・描写・類語(植物のカテゴリ)の一覧 ランダム5
笠のように枝を厚ぼったく繁らせたその下で
北条 民雄 / いのちの初夜 amazon
木の枝のしなう音が、人間の呼吸みたいに強弱となって繰り返される
富岡 多恵子 / 砂に風 amazon
木の枝がひゅうひゅうと悲痛の響きを立てて泣く
長塚 節 / 土 amazon
ひとの股の形をした枝
野間 宏 / 暗い絵「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
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「植物」カテゴリからランダム5
ぼうぼうに生えた草たちが、まるで緑色の炎のよう
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 amazon
午後の陽をいっぱいにあびて、葉のなかには宝石のように光っているのがあった。
丹羽 文雄 / 顔 amazon
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