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街道の傍から渓に懸った吊橋つりばしを渡って入ってゆく山径
梶井基次郎 / 筧の話 ページ位置:2% 作品を確認(青空文庫)
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山道・峠道
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前後の文章を含んだ引用
 私は散歩に出るのに二つの路を持っていた。一つはたにに沿った街道で、もう一つは街道の傍から渓に懸った吊橋つりばしを渡って入ってゆく山径だった。街道は展望を持っていたがそんな道の性質として気が散り易かった。それに比べて山径の方は陰気ではあったが心を静かにした。どちらへ出るかはその日その日の気持が決めた。  しかし、いま私の話は静かな山径の方をえらばなければならない。  吊橋を渡った......
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