街道の傍から渓に懸った吊橋 を渡って入ってゆく山径
梶井基次郎 / 筧の話 ページ位置:2% 作品を確認(青空文庫)
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山道・峠道
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前後の文章を含んだ引用
私は散歩に出るのに二つの路を持っていた。一つは渓 に沿った街道で、もう一つは街道の傍から渓に懸った吊橋 を渡って入ってゆく山径だった。街道は展望を持っていたがそんな道の性質として気が散り易かった。それに比べて山径の方は陰気ではあったが心を静かにした。どちらへ出るかはその日その日の気持が決めた。 しかし、いま私の話は静かな山径の方をえらばなければならない。 吊橋を渡った......
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街道の傍から渓に懸った吊橋 を渡って入ってゆく山径
梶井基次郎 / 筧の話
峠の向こう側からやっと匍(は)い上がってきたように見える濃霧が、峠の上方一面にかぶさる
堀 辰雄 / 美しい村 amazon
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この交差点はとてもグロテスクな形をしていた。まるで巨人が造った広い道路と小人たちが造った細い路地が交わっているように見えるのだ。 たとえば広い国道のほうから走ってくると、直角に右へ曲がっているL字型の道にしか見えない。しかし実際はL字型カーブと見えた先には細い路地が伸びており、国道と平行に走る水路にかかる小さな橋がある。そしてこの水路が、昭和四十六年に埋め立てが完了し、沖合の島が陸続きになるまでの海岸線だったのだ。 陸続きになった島には造船所の巨大なドックがある。これが巨人の街だ。そして海岸線を奪われた以前の漁村には、未だに細い路地が張り巡らされている。
吉田修一「悪人」に収録 amazon
産業道路としても利用されているこの道路は大型車が頻繁に通り、ディーゼルの黒煙や砂埃が絶えず舞っている。
羽田 圭介「ミート・ザ・ビート (文春文庫)」に収録 amazon
大学から駅まで続く道が好きだ。等間隔に植えられている木が道を囲んでいて、喩えるなら表参道から高級さをすっぽりと抜いた感じ。いろんなひとがいろんな話をしながら歩いて、いろんな形の人間関係が築かれただろうこの道は、なんだかすごく大切なもののように思える。
朝井 リョウ / 僕は魔法が使えない「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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