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なにかをやりはじめてもその途中で極 って自分はぼんやりしてしまった。気がついてやりかけの事に手は帰っても、一度ぼんやりしたところを覗 いて来た自分の気持は、もうそれに対して妙に空ぞらしくなってしまっているのだった。何をやりはじめてもそういうふうに中途半端中途半端が続くようになって来た。またそれが重なってくるにつれてひとりでに生活の大勢が極ったように中途半端を並べた。
梶井基次郎 / 泥濘 ページ位置:13% 作品を確認(青空文庫)
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やる気を失う
だらだら暮らす
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前後の文章を含んだ引用
......しても始末しようという気持に転じて行かないときがある。それは億劫というよりもなにかに魅せられている気持である。自分は自分の不活溌のどこかにそんな匂いを嗅 いだ。 なにかをやりはじめてもその途中で極 って自分はぼんやりしてしまった。気がついてやりかけの事に手は帰っても、一度ぼんやりしたところを覗 いて来た自分の気持は、もうそれに対して妙に空ぞらしくなってしまっているのだった。何をやりはじめてもそういうふうに中途半端中途半端が続くようになって来た。またそれが重なってくるにつれてひとりでに生活の大勢が極ったように中途半端を並べた。そんなふうで、自分は動き出すことの禁ぜられた沼のように淀 んだところをどうしても出切ってしまうことができなかった。そこへ沼の底から湧 いて来る沼気 のようなやつがいる......
単語の意味
妙(みょう)
妙・・・とてもいい。非常に優れている。または、不思議、奇妙なこと(さま)。
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やる気を失うの表現・描写・類語(恐怖・不安のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(気が重い)志津子に会いに行く時いつも感じる何か暗い錘のようなものが自分の腰のあたりにしばりつけられていてそれが自分の背骨をねじまげているような、自分のなかに精神と肉体のかせがほどこされているような感じにとらえられていた
野間 宏 / 崩解感覚「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
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だらだら暮らすの表現・描写・類語(暮らし・生活のカテゴリ)の一覧 ランダム5
改めてソファにひっくり返り、昼近くまでうとうとする。十一時になると起き出して顔を洗う。歯磨きの白いしみの飛んだ曇った鏡に、三十八歳の職のない男のむくんだ顔がうつっている。空気が 澱み、時間まで腐ってしまいそうだ。
向田邦子 / マンハッタン「思い出トランプ(新潮文庫)」に収録 amazon
惚けのように暮らしていた
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 amazon
昼過ぎに起きて街中を目的もなく歩きまわり、ようやく気持ちが乗ってきたらなにかを書くが、気持ちが乗らなければなんにもしない生活を続けていた。《…略…》夕方頃に起きて、することのない言い訳のように散歩して、演劇のことだけをひたすら考えて、ほとんど何も思いつかないまま部屋に戻る。
又吉直樹「劇場(新潮文庫)」に収録 amazon
なんの展望もなくじりじりと枯れてゆくように日々は過ぎてゆく。
吉本 ばなな / ムーンライト・シャドウ「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
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「暮らし・生活」カテゴリからランダム5
要するに決断を先送りにして、周りの空気に流されながら行き先を決めていくタイプだな。行きたくもない高校に通い、吸いたくもない煙草を吸い、やはりみんなが行くからという理由で名前も聞いたことのない私立の大学を卒業する。そうしてろくな志もないくせに会社員になって、ずるずると生活をするんだよ。退屈な日常に嫌気がさして、で、賭けごとに手を出して、またずるずると落ちていくタイプだ
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 amazon
蚊帳のない暮しむきなので、皿におがくずを入れていぶす。へやの中がいぶる。
林芙美子 / 新版 放浪記
「恐怖・不安」カテゴリからランダム5
蠟 のように蒼ざめた男
池井戸潤「下町ロケット (小学館文庫)」に収録 amazon
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