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燦々たる星は、もはやここではただの空の星ではない。一つずつ膚に谷の刻みを持ち、ハレーションを起しつつ、悠久に蒼海そうかいを流れ行く氷山である。そのハレーションに薄肉色のもあるし、黄薔薇色きばらいろのもある。紫色がぜて雪白の光茫こうぼうを生んでいるものもある。私は星に一々こんな意味深い色のあることを始めて見た。
岡本かの子 / 河明り ページ位置:65% 作品を確認(青空文庫)
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夜空
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前後の文章を含んだ引用
......閉じられているようである。夜を一つの大きな眼とすれば、これはその見詰みつめるひとみである。気を取り紛らす燦々さんさんたる星がなければ、永くはその凝澄こりすました注視に堪えないだろう。  燦々たる星は、もはやここではただの空の星ではない。一つずつ膚に谷の刻みを持ち、ハレーションを起しつつ、悠久に蒼海そうかいを流れ行く氷山である。そのハレーションに薄肉色のもあるし、黄薔薇色きばらいろのもある。紫色がぜて雪白の光茫こうぼうを生んでいるものもある。私は星に一々こんな意味深い色のあることを始めて見た。美しい以上のものを感じて、脊椎骨せきついこつ接目つぎめ接目つぎめに寒気がするほどである。  空地の真中から、草葺きのバンガローが切り拓かれた四方へ大ランプの灯の光を投げている。  その光......
単語の意味
爆ぜる(はぜる)
雪白(せっぱく)
紫(むらさき)
悠久(ゆうきゅう)
爆ぜる・・・割れて中身が飛び散る。はじける。熟しきった果実の殻が破れて、果肉がプチッと外に出る。
雪白・・・1.雪のようにきれいな白色。真っ白。純白。
2.1が汚れのないところから、少しもやましい所のないこと。潔白(けっぱく)。
雪のように真っ白な色。純白。
・・・1.赤と青を混ぜてできる色。古来、高位の象徴とされた。
2.ムラサキ科の多年草。夏、白い小花が咲く。根からとれる染料は紫色(むらさきいろ)。
3.醤油(しょうゆ)の異称。
悠久・・・悠か(はるか[=甚だしいほど])に久しい(ひさしい[=かなり長い年月がたつ])こと。果てしなく長く続いていること。永久(えいきゅう)。「悠」は訓読みで「はる(か)」「とお(い)」と読める。
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西の空にはまだ 夕映えの 名残りがわずかに残っていた。
志賀 直哉 / 焚火「城の崎にて・小僧の神様 (角川文庫)」に収録 amazon関連カテ夕方夜空
星なのか飛行機なのかわからない小さな光が夜空に散らばっている。
朝井 リョウ / 燃えるスカートのあの子「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
星の散らばる空
綿矢 りさ / 亜美ちゃんは美人「かわいそうだね? (文春文庫)」に収録 amazon
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東の空は、うれたトマトがつぶれたように赤かった
曽野 綾子 / 空飛ぶ円盤「わが恋の墓標〈1〉 (大活字文庫)」に収録 amazon
庭が、夕闇に溶けこみつつあった。
池波 正太郎「食卓の情景 (新潮文庫)」に収録 amazon
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