切れかけた蛍光灯がちりちりという微かな音を立てている

雨粒が断続的に窓を叩いていた。時が少しずつ重みを増し、冷ややかな薄闇とまじりあいながら部屋を浸した。電灯の黄色い光が花粉のように空中を漂っていた。

蛍光灯から垂れ下がった紐を引き灯りを消す

人工的な光

暗闇の中、電球がそのまわりだけほの暗い光を落とす

蛍光灯の紐を引っ張る。

ボタンを押して、電気系統に命令めいたものをして

（エンジンを切る）鍵を回した。 　車の振動が止み、途端に車内が静かになる。

スイッチを入れると、地の底から湧き上がるような低い唸りが一斉にあたりを被った。背筋が冷たくなるような音だ。そして次に、何万という鳥の群れが翼を広げるようなパタパタパタという音が続いた。《…略…》七十八台のピンボール・マシーンが電気を吸い込み、そしてそのスコアボードに何千個というゼロを叩き出す音だった。音が収まると、あとには蜂の群れのようなブーンという鈍い電気音だけが残った。そして倉庫は七十八台のピンボール・マシーンの束の間の生に満ちた。一台一台がフィールドに様々な原色の光を点滅させ、ボードに精いっぱいのそれぞれの夢を描き出していた。

クーラーの目盛りを絞る

いつも等しく明るい部屋の中

狭いプレハブの事務所には冷房がなく、事務机の横に置かれた真新しい感じの扇風機が音もなく回っている。

窓を開けると、風が滑り込むように入ってきた。

がたびしの入口

呼び鈴を鳴らす

クーラーの送風目盛りを「５」から「３」に下げ

（ビデオデッキから）押し出されたビデオテープは巨大な舌に似ている。デッキは、（タイマー部分の「0000」の点滅が）ウィンクしながら、あっかんべーをしているように見えた。

蛍光灯の紐を引っ張る。

白い絹のワイシャツを、帆のように扇風器の風でふくらました

電気ストーブのオレンジ色の熱線